VALLETTA
ヴァレッタ
2018.12.26-31

<概要>

 Malta共和国の人口は約43万人で首都はVallettaです。EUに加盟しているので通過はEUR、シェンゲン協定に加盟しているのでEUからはパスポート・コントロールもなしで入国できます。言語はMalta語と英語が公用語となっていますが、土地の皆さんは通常はMalta語を話しています。基本はアラブ語の方言のようなものらしいのですが、そこにイタリア語の単語が時折混じっている感じです。英語教育は受けていますが、国民の50%以上が小学校までしか出ていないので、多くの場合、複雑な英語は通じませんでした。たまに英国訛りの英語を流ちょうに話す人もいました。

 紀元前5000年頃にシチリア島からの人が渡り、紀元前4000年から2000年頃にかけて巨石神殿が建設されましたが、その後突如として文明の痕が消え去ります。紀元前1000年に現レバノン付近のフェニキア人が入植して東地中海貿易の中継点として再び文明の歴史が刻まれ始めました。その後は紀元前400年頃に北アフリカのカルタゴ人、次いでローマ人の配下となって繁栄します。

 870年にアラブ人の侵攻を受け、1127年にノルマン人が占拠するまでイスラム帝国の支配下に置かれますが、1479年にはキリスト教のスペイン支配下に置かれ、1530年には、1522年にロドス島を追われた聖ヨハネ騎士団(後のマルタ騎士団)の所領となりました。1565年にマルタ騎士団はオスマン帝国からの攻撃を受けるが(マルタ包囲戦)、およそ4か月で撃退に成功しました。現在の首都Vallettaはこの時のマルタ騎士団の団長ジャン・ド・ヴァレットの名前です。その後、1800年頃にはナポレオンに治して無抵抗のまま支配され、直ぐに英国へと支配権は渡され英国統治が続きます。英国から独立したのは1964年、そしてEU加盟は2004年です。

<移動>

 パリCDG空港からからAir France便で、と言っても塗装の鮮やかなAir Maltaの機体ですが、Malta島へと向かいました。途中Sicilia島に差し掛かるころから機体はグングンと降下し、2時間強で13:00頃にMaltaの空港MLAに到着です。機体に直結させるゲートを持たない小さな空港です。

 タラップを降りるときつい陽ざしが強くて景色がきれいに見えます。気温は15℃ですが、陽が当たると暖かく、日陰に入ると途端に寒く感じます。ホテルに車の出迎えを頼んでいたので到着ロビーでピックアップしてもらってVallettaのホテルへと直行です。タクシーだとVallettaまでは定額でEUR15だそうですが、ホテルの送迎サービスはEUR22でした。いずれにしてもせいぜい7kmくらいしか離れていないのにずいぶんと高いですね。

 空港からホテルまでの景色はどことなくSiciliaのようです。乾燥した大地、パラソル松、ちょっと古ぼけた建物、そしてその建物の石材はちょっと黄色っぽい。建物が排気ガス等でちょっと煤けて見えるのも同じ感じです。でも陽ざしが強くて海と黄色っぽい建物のコントラストがとてもきれいです。Vallettaの町中に入るとこれが島の都市かと思えるほどの密度で主に15-19世紀頃の建物がひしめき合って建っています。どことなく懐かしい感じで、どことなく圧迫感がある町です。

<ホテル>

 ホテルはVallettaのある半島の付け根近くです。昔ながらのホテル。フロントの男性は一見無愛想です亜が、強めに要望を言うとちゃんと聞いてくれますし、基本は親切なようです。Malta全般にあまり愛想の良くない方々が多いのですが、話しかけると実はとても誠実で親切な方が多いようです。朝食はEUR10.00、夕食はEUR14.95ですが、両方頼むとEUR20.00にしてくれました。夕食もバッフェ形式でしたが普通に美味しく頂けました。ワインと炭酸水で追加EUR15。Vallettaでは夕食を提供する宿が多いようです。

Osborne Hotel ***
50 South Street, Valletta, VLT1101
+356 2599 9620
EUR218/2 nights (incl. Tax) BF:EUR10


Malta空港MLAに到着

ホテルの外観

ホテルの廊下は未だクリスマスモード

Osborn Hotelの朝食は種類が豊富

朝ホテルの部屋から見えたMadonna tal-Karmnu(Our Lady of Mount Carmel)

ホテルに近いOld Barlely Streetは半島の先端に向かって下ってゆく

Osborn Hotelでの夕食、地元ワインMedina

簡単なバッフェ形式の夕食、割引で約EUR12

<見所>

 ホテルに着いたのは14:00前だったので早速Vallettaの町を歩いてみます。長さ約1000m、幅約600mの半島は、マルタ騎士団がやって来てからの石造りの建物(聖堂や教会、騎士団長の宮殿、騎士団の出身地ごとの宿舎、劇場など)で埋め尽くされ、周囲は分厚い城壁で完璧に囲まれています。ちょっと威圧的な風景です。

 ホテル前のSouth Streetを左にしばらく行くと町一番の賑やかな通りRepublic Streetに当たります。半島の先へと下ってゆく通りの両側にはブランド洋装品のお店が並んで、多くの人がウィンドウショッピングしています。National Museum Of Archaeology(国立考古学博物館)、Misrah San Gorg(セントジョージ広場)、St. John Cathedral(セント・ジョン大聖堂)、Grandmaster Palace Courtyard(騎士団長の宮殿)などの見所へも繋がっています。

 South Streetをさらに進むと2番目くらいに賑やかなMarchant Streetです。この先には2018年にオープンしたモダンなIs-Suq tal-Belt (Valletta Food Market)があります。地下にはワイン、蜂蜜、オリーヴオイル、お菓子などの地元産の食材があり、地上階にはフードコートがあって昼時など便利です。

 Marchant Streetを過ぎると ゴシック様式のSt Catherine of Italy(詳細不明)、Our Lady Of Victories Chapel(オスマン帝国による大包囲戦に勝った1565年に建立)、Auberge Castille(現在は首相官邸で元はスペイン・ポルトガル出身騎士団の宿舎)が建ち並び豪華な感じです。

 そこからCastille Place(カスティーユ広場)を抜けて一旦城壁の外(Triq Girolamo Cassar)に出て見ると堅牢で複雑な城壁の様子が見て取れます。対岸にはThree Citiesと呼ばれる町の一つであるSenglea(アセングレア)が目の前に見えます。先端はVedette(監視塔)です。

 城壁の下から城壁内に登るためのモダンなBarakka Liftがあります。あの位置からはエレベータでもなければ城壁無いには入れないようです。

 再び城壁内に戻ってUpper Barrakka Gardens(アッパーバラッカガーデン)に入ってみると城壁の上からThree CitiesのSengleaとVitoriosaのFort St. Angelo(聖アンジェロ砦)が見えます。Three Citiesは1539年にロードス島から逃れてきたマルタ騎士団が最初に建設した城塞群です。SengleaとVitoriosaの先端は鎖でつながれて敵船の侵入を阻止していたそうです。


1番目賑やかなRepublic Street

2番目くらいに賑やかなMarchant Street

St Catherine of Italy

Auberge Castille(首相官邸)

下から城塞に上がるBarakka Lift

Three Citiesの一つVitoriosa、先端はVedette(監視塔)

Upper Barrakka Gardens

Upper Barrakka Gardensから見たThree CitiesのVitoriosaとSenglea

VitoriosaFort St Angelo(聖アンジェロ砦)

 陽が落ちてきたのでホテルに戻ります。15℃ありますが、日陰に入ると結構肌寒く感じます。途中で Republic Streetに面したGrandmaster Palace Courtyard(騎士団長の宮殿)の前を通り、Old Barkely Streetに出てみました。この通りは人影が少なく、静かで落ち着いた感じです。昔ながらの建物も多くて昔のVallettaってこんな感じかなって思わせてくれます。

 途中にあった St. Augustine Church。他の宗教建造物の多くと同様にバロック様式です。丁寧に英語とMalta語、フランス語、ドイツ語などで説明が書かれています。大包囲戦の直後、1571年の建造です。

 そうそう、Maltaには猫が多いんです。そこかしでにくつろいでいます。岩合さんも撮影に来たことがあるらしい。それと友人から「Maltaにはマルチーズの野良犬がそこかしこに闊歩しているとの噂があるので見つけたら写真を送って欲しい」と頼まれたのですが、残念ながら野良マルチーズは見かけませんでした。マルチーズはMaltaの犬なんですね。面白いですね、マルチーズがそこかしこを歩いている様子を想像すると。


Grandmaster Palace Courtyard(騎士団長の宮殿)

Old Barlely Street

今夜のレストランGuze Bistro

St. Augustine Church

St. Augustine Churchの説明(英語)

St. Augustine Churchの説明(Malta語)

Maltaには猫が似合います

あちこちに猫が

こんなところにも

夕方の町並み(ホテルから)
<レストラン>

 Malta郷土料理のお店ですが、ちょっと洒落たレストランでモダンに洗練された料理でした。地元ワインは香りがちょっと甘くて不思議な味でした。Malta名物のタコ料理、ニンニクの効いたFish Soup、ウサギ肉の料理、豚肉料理などを頂きました。全般に味はさっぱりして食べやすかった。

guze bistro
22 Old Bakery Street, Il-Belt Valletta
guzevalletta.com
2123 9686


Guze Bistro、地元Marsiniの赤ワインはちょとだけ甘い香り

Amuse de buche、

Warm Octopus

Malta名物Sea Food Soup

Malta名物ウサギの料理三種

Malta名物の豚肉料理

 ホテル付近のThe Triton Fountain(トリトンの噴水)にある広場、New Parliament Building(国会議事堂)を散歩して、最後にThe Ordinance Pubで昼食を取ってホテルに戻りました。


The Triton Fountain(トリトンの噴水)にある広場

実物大のPresepio(キリスト降誕を祝う人形)

New Parliament Building(国会議事堂)

Royal Opera House Site(王立歌劇場)

The Ordinance Pubで昼食 Bongle Bianco

Gnocchi
 午後は St. John's Co-Cathedral(聖ヨハネ大聖堂)に行ってみましたが、Caravaggioの絵画などは閉館中で見られませんでした。

 年末ヴァカンス客が多くてRepublic Streetは混雑しているのでMarchant Streetを半島の先端に向かって散歩してみます。Valletta Food Marketを過ぎると人がグッtと縁、食べ歩きできる食材(揚げパンやリコッタチーズ入りパイ、アランチーニなど)を売っている小さな個人商店が出て来ます。バロック様式で、かつギリシャ正教の教会がありました。


St. John's Co-Cathedral(聖ヨハネ大聖堂)

Marchant Streetにあるモダンな食品モールIs-Suq tal-Belt(Valletta Food Market)

Marchant Streetの個人食材店

Marchant Streetの個人食材店、揚げパイが名物

バロック様式のSt Nicolas Greek-Catholic Church、ギリシャ正教ですね

 Vallettaの先端にあるのがForto Sant Iermu(聖エルモ砦)です。大包囲戦の前からこの場所の軍事上の重要性に気づいており、1522年から建設されたものです。第二次世界大戦では英国領だったのでイタリア軍の攻撃を受けて損傷しています。


岬の突端Fort St Elmo(聖エルモ砦)付近の町側の景色

National War Museum(Fort St Elmo)入口

対岸のRicasoli East Breakwater

National War Museum

Fort St Elmoの外に朽ちた建物がありました

Napoleon Bnaparteが征服した時の官邸

Napoleon Bnaparteが征服した時の官邸

対岸のSelimaは億ションが立ち並ぶ

夕方のValletta

West Street

クリスマス・イルミネーションが綺麗です

クリスマス・イルミネーションが綺麗です
<レストラン>

 地元で有名なMalta郷土料理店です。Maltaのピザは四角くて味が薄めで中の半生のタマネギがくどさを和らげています。Beef Olivesも素直に美味しかった。

Nenu The Artisan Baker
143 St Domnic Street, Valletta VLT 1605
nenuthebaker.com
2258 1535


老舗のMalta料理店Nenu The Artisan Baker

地元ワインCaravaggio

Maltaのパンは美味しい

魚のスープ、Maltaピザ、名物Beef Olives

これが名物Beef Olives

<見所>

 朝も朝から快晴です。午前中はNational Museum of Archeology(Auberge de Provence:プロヴァンス騎士団宿舎)に行ってみました。27日に見た紀元前3000年前後の巨石神殿にあった重要石材の本物や豊穣と多産を願うな豊満な女性像の現物があります。豊満な女性像は脂肪の付き方が現実的で有り、実際のモデルを丁寧に観察して作られたものと推測されます。紀元前3000年頃の「眠れる女性像」は特に素敵な彫刻でした。穏やかに寝ている優しい女性を感じさせます。


National Museum of Archeology(国立考古学博物館)

紀元前5200-4500年の彫塑にしては可愛らしい

巨石神殿の石材にちょっとユーモラスな彫刻が

見られなかったHal Saflieni Hypogeum(ハイポジウム神殿)

豊満な女性像

豊満な女性像の首はすげ替えられるようになっていた

小型の豊満女性像

背中の描写が現実的と評価されている

紀元前3000年頃の「眠れる女性像」、穏やかに寝ている感じです

渦巻き状の模様も特徴的です

プロヴァンス騎士団宿舎をレストアしています、Bank of Vallettaの協賛で

M.A.Vassalliの郵便ポスト

Maltaの猫ですね

この場所がお気に入りのようです
 午後は Vallettaの半島の周囲を一回りしてみました。ホテルの西側にあるVaclav Havel Memorialを起点に、Hastings Garden Malta、Valletta City Gate、Upper Barrakka Gardensから Lower Barrakka Gardens、先端のFort St Elmo(聖エルモ砦)、北側の海岸線を通ってSt. Paul's Anglican Pro-Cathedral、Madonna tal-Karmnu - Our Lady of Mount Carmel、Teatru Manoelを通ってホテルに戻りました。

Hastings Garden Maltaから城壁の様子を見ます

Manoel Islandの要塞

Hastings Garden Maltaから城壁内を見るとこんな感じ

SelimaやSt Julian'sが見えます

The Triton Fountain(トリトンの噴水)

城壁の上に少女達、この先は数10mの落差

城塞の堀はすごく深くて攻めるのは不可能

こんな風景

Triq Sant' Orsla(通り)の起伏ある景観

上にUpper Barrakka Gardensが見えます

眺めの良いGrand Harbour Hotelの近く

船の赤が綺麗です

Vallettaの南東側の景観

対岸に見えるのはThree Citiesの一つKalkara

対岸に見えるのはThree Citiesの一つKalkara

War siege Memorial

Lower Barrakka GardensにあるMonument to Sir Alexander Ball

岬の突端Fort St Elmo(聖エルモ砦)付近の海岸線の様子

岬の突端Fort St Elmo(聖エルモ砦)付近は映画に利用されたらしい

Fort St Elmo(聖エルモ砦)の北側

Fort St Elmo(聖エルモ砦)の北側

St. Paul's Anglican Pro-Cathedral

Maltaの猫

木製のベランダの着いた古く趣ある建物をよく見かけます
<移動>

 朝4時にホテルで予約したタクシーに乗ってMLA空港まで15分程度。空いているとこんなものなのでしょう。早朝料金でEUR25、高いですね。

 空港はモダンで清潔です。早朝にもかかわらずCafeとか空いていて朝食が取れます。町中でも、空港でも感じたので酢亜g、Maltaの人は日本好きが多いようです。空港のポスターにも日本の製品がさりげなく添えられていました。


MLA空港はモダンで清潔です

タバコが特産品なのでしょうか、沢山あります