VERONA
ヴェローナ
2000.08.15-17

<概要>

 人口25万人を抱える大きな都市です。アディジェ川(ADIGE)が大きく蛇行した部分に遺跡や歴史的建造物が沢山あり、UNESCO世界遺産に登録されています。雄大で美しい川の流れのごとく古代から現代に連綿と続く人々の営み、それがこの町の印象でした。

<見所>

 「ピッコラ・ローマ」と言えるほど、ローマのように遺跡や歴史的建造物が沢山残っています。しかもそれらは今なお現役で使用されているのです。アディジェ川が大きく蛇行する部分に見所は集中しており、徒歩での観光に向いていますが、じっくりこの町を見ようとすると3日間は必要かも知れません。そうそう、『ロミオとジュリエット』の舞台となったのもこの町なんです。

 エルベ広場(PIAZZA DELLE ERBE)はローマ時代の公共広場(FORO)。広場は朝市や観光土産の露店で埋め尽くされており、その中に歴史的建造物、市の円柱(COLONNA DEL MERCATO)、政令や判決を読み上げた演壇カピテッロ(CAPITELLO)、マドンナ・ヴェローナの噴水(FONTANA DI MADONNA VERONA)、ヴェネツィアの象徴である翼を持つライオンを持つサン・マルコの円柱(COLONNA SAN MARCO)、等々があります。広場の周囲も歴史を感じさせる建物に絵囲まれています。特に、広場の北東側で壁にフレスコ画を所々残す14-16世紀に家並みは見事です。一方、北東側で高くそびえるのは1370年のガルデッロ塔(TORRE DEL GARDELLO)です。北西の端にはバロック様式の豪華なマッフェイ館(PALAZZO MAFFEI)があります。現代の活気と長い時の流れを感じさせるエルベ広場です。

 エルベ広場から市庁舎をくぐり抜けると、柱廊で繋がった建物の中央、中庭のようなシニョーリ広場(PIAZZA SIGNORI)に出ます。広場中央には1865年のダンテ記念碑(MONUMENTO A DANTE)があります。広場の北側にはデッラ・スカラ家の墓廟(ARCHE SCALIGERE)があり、見事な彫刻がひときわ目を引きます。

 『ロミオとジュリエット』のモデルとなったジュリエッタの家(CASA DI GIULIETTA)は、エルベ広場からカッペロ通り(VIA CAPPELLO)を少し南東へ行ったところの左手の奥。中庭のような所で、2階に見える有名な「バルコニー」とジュリエットの像があります。この像の右の乳房に触れると何か良いことが起きるらしく、皆が触るので彼女のそこはテカテカになっていました。

 ローマ円形闘技場(ARENA)は紀元1世紀末の建造で、現在も利用されています。44段の観客席に2万5千人を収容することが可能で、夏には世界的に有名な野外オペラが開催されます。

● 野外オペラ

 旧市街北部のアデュジェ川右岸から左岸へ渡るピエトラ橋(PONTE DELLA PIETRA)。元はローマ時代の橋。第二次世界大戦で損傷しましたが、同じ材料を使って修復したそうです。橋を左岸に渡るとローマ時代の遺跡として古代劇場(TEATRO ROMANO)があり、これは現在も劇場として使用されています。

 古城(CASTELVECCHIO)は14世紀のレンガ造りの無骨な建造物ですが、散策する場所としては最適です。内部には市立博物館(MUSEO CIVICO)があり、隣接するスカリジェーロ橋(PONTE SCALIGERO)からの眺めも格別です。

 ヴェローナには沢山の聖堂や教会があります。とても全ては紹介し切れませんので、我々が訪ねたものの一部のみご紹介します。

 ドゥオーモ(DUOMO)の基本は12世紀ロマネスク様式。15世紀にゴシック様式に改修され、後にルネッサンス様式が加えられた複雑な構造です。内部にはティツィアーノの作品があります。

 旧市街の西の外れにあるサン・ゼノ・マッジョーレ聖堂(SAN ZENO MAGGIORE)はイタリア・ロマネスク様式の傑作と称される建築です。広く静かな広場に大きなバラ窓を持つ白い大理石のファサード(正面)がとても印象的です。正面左側には古い大修道院の塔(13-14世紀)があり、右側には鐘楼(11-12世紀)が鋭く建っています。

 サンタナスタジア教会(SAN ANASTAGIA)は濃いくすすけた感じのレンガ造りのゴシック建築。15世紀に建てられ、19世紀末に修復されたもの。内部には彫塑や絵画など、素晴らしい作品が納められている。

 サン・ジョルジョ・イン・ブライダ教会(SAN GIORGIO IN BRAIDA)はアディジェ川の左岸にある力強くかつ美しい建物です。現在の姿になったのは16世紀のことだそうです。

 サン・ベルナルディーノ教会(SAN BERNARDINO)は15世紀、ルネッサンスからゴシックへの移行時期に建てられた教会。平面的なロマネスク様式のファサードにゴシック的な細長く上へとのびる窓がアンバランスで印象的でした。

<ホテル>

 ヴェローナで今回泊まったのはHOTEL SAN LUCA。335,000Litと、我々が泊まるにはちょっと高めのホテルでしたが、ARENAが近いので、深夜にオペラが引けた後、徒歩ですぐに帰れる場所と言うことで予約しました。特にこれというお勧めはありません。

HOTEL SAN LUCA (★★★★?)
VICOLO VOLTO SAN LUCA 8, VERONA 37139, ITALIA
TEL:+39-045-591333
FAX:+39-045-8002143


Verona到着。まずはArena


Hotel San Lucaはこのすぐ近く

Piazza Delle Erbeはローマ時代の公共広場。朝市や観光土産の露店で埋め尽くされている

Piazza Delle Erbeの北東で高くそびえる1370年のTorre Del Gardello

Piazza Delle Erbeの北西端にバロック様式の豪華なPalazzo Maffei

Piazza Delle Erbe北東側。14-16世紀の家並みの壁に見事なフレスコ画が所々残っています

Piazza Delle Erbe のFontana Di Madonna Verona

Fontana Di Madonna Verona

Torre Del Gardello

Piazza Delle ErbeのCapitello (政令等を読み上げた演壇)

朝のPiazza Delle Erbe


Piazza Signori、Piazza Delle Erbeから市庁舎をくぐり抜けると柱廊で繋がった建物の中央にある広場。中庭のような感じ。中央に1865年のダンテ記念碑(Monumento A Dante)



『ロミオとジュリエット』のモデルとなったCasa Di Giulietta 中庭のような所で、2階に見える有名な「バルコニー」があります


Casa Di Giuliettaの前にあるジュリエットの像。右の乳房に触れると何か良いことが起きるらしく、皆が触るので彼女のそこはテカテカになっていました。


<絵葉書>

<絵葉書>

Adige (アディジェ川)の北側

Ponte Nuovoから見たSan Anastagiaの鐘楼

Ponte Nuovo。背後の教会はSan Tommaso Cantuariense

Teatro Romanoの観客席の背後にある建物

現在も利用されているTeatro Romano

Teatro Romanoから見たSan Anastagiaの鐘楼

Teatro Romanoから見たPonte Della PietraとDuomo

Castelvecchioは14世紀のレンガ造りの無骨な建造物だが、散策する場所としては最適。内部にはMuseo Civico (市立博物館)あり

Castelvecchio

Castelvecchio

Castelvecchio

Castelvecchio隣接のPonte Scaligeroからの眺めも格別

Duomoの基本は12世紀ロマネスク様式。15世紀にゴシック様式に改修。後にルネッサンス様式が加えられた複雑な構造。内部にはティツィアーノの作品があり


San Zeno Maggiore


San Anastagia

San Anastagiaの横にある棺(?)
 

San Giorgio In Braidaはアディジェ川の左岸にある力強くかつ美しい建物。現在の姿になったのは16世紀

Ponte Della Pietraはローマ時代の橋だが、第二次世界大戦で損傷し、同じ材料を使って修復

Ponte Della Pietra



デッラ・スカラ家の墓廟

San Bernardinoは15世紀、ルネッサンスからゴシックへの移行時期に建てられた教会、
平面的なロマネスク様式のファサードにゴシック的な細長く上へとのびる窓がアンバランスで印象的

San Bernardinoの中庭

<絵葉書>