2019.11.01-04
<概要>
Prato はその周辺地域を含めて人口約19万人の比較的大きな都市で、伝統的な繊維産業で潤っています。1950年代以降、Pratoは繊維産業を支えるために南イタリア出身者、次いで外国移民を受け入れてきましたが、1980年代後半から移り住み始めた中国人移民(温州市出身者中心に20,000人いるとも言われている)による安価で勤勉な労働力のおかげで、価格競争が激しくなった繊維産業で生き残こることができました。
古代に遡ると、Prato周辺の丘陵には旧石器時代から人が住んでいました。平野は後のエトルリア人に植民地化されて紀元前5世紀まで存続しましたが、その後原因も不明のまま打ち捨てられました。その後この一帯を支配するようになるのは古代ローマ人でした。
12世紀からPratoは自治都市となり、そこで今に続く繊維産業が栄えました。
<ホテル>
ホテルはPratoの城壁内にあって、繁華街の南側にあります。 ホテル前に10台分程度の小さな駐車スペースがあるのですが満車でした。ホテル横に路上駐車してちょうどチェックインを終えたところで一台の車が駐車場から出て行ったので、すかさずそこに駐車しました。ホテルで駐車許可証を5eurで購入しましたが、これはこの付近の路上の青枠線内であれば今後一週間は自由に駐車できます。ホテルは一泊eur69にもかかわらず二人分の朝食付きなので部屋は簡素でしたが、必要最小限度の設備があって清潔にきちんと掃除されているのでこれで十分です。朝食もシンプルですが、一応ハムやチーズもありました。パンとケーキは色々とあって3泊しても飽きませんでした。
Albergo Giugni
Piazza degli Innocenti 3 angolo via Dei Migliorati, Prato, 59100
+39 0574 21286
EUR207/3nights (incl. Tax and BF)
予約不要駐車場有(eur5/week)
<見所>
夕方6時頃にホテルを出ましたが、曇天のせいもあり既に真っ暗でした。 ホテルを出て右に行くとVia Santa Trinitaに出ます。この通りは城壁内にある旧市街の町の中心をほぼ南北に貫いて、色々なお店が立ち並ぶ賑やかな通りです。北へ行くとPiazza del Duomo(ドォーモ広場)に突き当たり、そこに立派なCattedrale di Santo Stefano(サント・ステファノ大聖堂)が立っていました。
大聖堂の東方面にあるPiazza Santa Maria delle Carceri(カルチェッリの聖母マリア広場)に出るとCastello dell'Imperatore(皇帝宮殿)とSantuario di Santa Maria delle Carceriがあります。広場の南西にはSan Francesco(サン・フランチェスコ教会)の後塵が見えます。どれもきれいにライトアップされています。
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Cattedrale di Santo Stefano(サント・ステファノ大聖堂) |
Piazza del Duomo(ドォーモ広場) |
Castello dell'Imperatore(皇帝宮殿)の夜景 |
San Francesco(サン・フランチェスコ教会)の後塵 |
Santuario di Santa Maria delle Carceri |
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<レストラン>
色々とお店を物色しながらしばらく歩き回り、歩き疲れたところのPiazza Mercatale周辺で見つけたお店に入りました。ごく普通のピザでした。
Il Chicco d'Uva Prato
Piazza Mercatale, 19, 59100 Prato PO
ilchiccoduva.it
+39 0574 400830
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今夜はシンプルにピザのみ |
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Museo di Palazzo Pretorio di Prato |
今回借りたレンタカーはAlfa Romeo STELVIO 2.2 Turbo Diesel Q4 |
一週間駐車許可証(5eur/weekで路上の青枠線内に駐車可)
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今日は一日Pratoを散歩してみます。気温は10〜15度くらいで曇り空です。
Via Santa Trinitaに出て北上すると、右手に San Francesco(サン・フランシスコ教会)があります。白と緑の縞模様のファサードは13世紀のルネッサンス様式です。後陣は昨夜見たようにシンプルなレンガ造りです。
その先に進むと左手にあるMuseo di Palazzo Pretorio di Prato(プレトリオ宮美術館)は18世紀の法務官官邸で、ナポリ派、オランダ派、そして14-19世紀の地元フィレッツ派とその他トスカーナ地方の画家の絵画が展示されています。
さらに進むと Piazza del Duomo(ドォーモ広場)と Cattedrale di Santo Stefano(サント・ステファノ大聖堂)に出ます。 Duomoは12-13世紀のロマネスク様式ですが、ファサードはSienaとかOlvietoで見るような縞々の模様が印象的です。これらは1385-1457年に追加されましたルネッサンス様式です。正面入り口の扉の上にあるティンパヌムは釉薬をかけたテラコッタで作られた優雅のもので、1489年に追加されました。正面右角にくっついているPergamo del Sacro Cingolo(聖帯の説教壇)は今まで見たことのないタイプです。1434-1438年に追加されたものです。手すり部分の彫刻「Danza dei Putti(童児たちの行列)」はドナテッロの傑作と言われています。これはレプリカで、実物は付属博物館内にあります。
そこから駅の西側にあるParrocchia Sant'Agostino(サン・タゴスティーノ教区)へとお散歩。聖アウグスチヌス修道会によって1271年に建設され、14-15世紀に改築されています。それにしてはシンプルな外観ですね。
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San Francesco(サン・フランシスコ教会) |
Museo di Palazzo Pretorio di Prato(プレトリオ宮美術館)
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Piazza del Duomo(ドォーモ広場)と Cattedrale di Santo Stefano(サント・ステファノ大聖堂) |
大聖堂正面の奇麗なティンパヌムです |
ドナテッロの傑作である説教壇のレプリカ、実物は付属博物館内
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大聖堂身廊 |
大聖堂内 |
Parrocchia Sant'Agostino |
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大聖堂の東方面にあるCastello dell'Imperatore(皇帝宮殿)へと行ってみます。今日は祝日で入場無料でした。ここはFortezza di Santa Barbara(サンタ・バルバラの城塞)とも呼ばれ、フェデリコ2世によって1237-1248年に建設されました。Pouglia州にある八角形の城塞Castel Delmonte(世界遺産)を建設したあのフェデリコ2せいです。城壁に上って町の様子を展望できましたが、小雨が降ってきました。 |
Castello dell'Imperatore(皇帝宮殿) |
Santuario di Santa Maria delle CarceriとCastello dell'Imperatore(皇帝宮殿) |
Castello dell'Imperatoreの城内はガランとしています |
町の南側に残る城壁 |
Castello dell'Imperatoreに接続していた城壁が道路の反対側に
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一瞬何かと思ったら彫像だった |
雨が本格的に降り出しました。雨宿りを兼ねて 城壁内の最南部にあるMuseo del Tessuto(織物博物館)へ行った見ます。古い織物、織物の種類、Pratoの織物産業の歴史、14世紀の織物貿易商人DantiniによるPrato織物産業の振興の歴史など町の歴史と絡んだ興味深い展示でした。 |
町の南側の城壁、高さがあります |
Museo del Tessuto(織物博物館) |
Museo del Tessutoの内部、ボイラー跡 |
羊毛の品質の順位 |
Museo del Tessuto中庭
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Museo del TessutoのPanphlet |
<レストラン>
昼食はサンドイッチ類のテイクアウト主体のお店です。Lampredotto(牛の第四胃)という名前が気になって入ってみました。案の定、Lampredottoのサンドイッチがありました。奥のテーブルに10人ぐらいの団体客がいてスタッフ2名は忙しそうに対応していますが、お客は色々と注文を付けてくるのでなかなか作業がはかどらないようです。我々もオーダー出来ないままに立ったままです。他にも立って待っている人や、途中で出て行った人たちがいました。スタッフは我々にちょっと気を遣ってくれて、奥にいる客の対応を一旦サボってこちらの注文を取ってくれて、また順番を変えて早めにサンドイッチを作ってくれたりしました。辛いLampredottoサンドイッチと普通のLampredottoサンドイッチ、2個でeur7くらいでした。
Messer Lampredotto
Via Giuseppe Mazzini, 4, 59100 Prato PO
it-it.facebook.com
+39 0574 605033
ホテルに戻ってサンドイッチを頂きました。基本はさっぱりした内臓ですが軽い臭みはあります。でも内臓好きにはそこがたまりませんね。美味しいです。
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Messer Lampredotto |
サンドイッチの中身は?
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Lampredotto(牛の第四胃)でした |
<見所>
夕方、城壁内の南側をちょっと散歩。
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町の南側の城壁、城壁外からみるとこんな感じ |
城壁内の映画館、お洒落ですね
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<レストラン>
夕食はホテルのすぐそば。昨日満席で入れなかったお店Osteria Su Santa Trinitaです。夕方に立ち寄ったら「19:30-21:00なら空いている」ということだったので予約。食事はちょっとペースアップしてオーダーし、食べました。お店の人も気を遣ってさっさと御給仕してくれました。スタッフは皆さん非常に親切で丁寧で良い感じです。前菜は生ハム、サラミ、チーズの盛り合わせ。PrimoはPiciのラグーソース、メインは
豚肉を豚ひき肉で包んでパンに詰めたものが揚げたもの。どれも美味しくて大満足です。特にPiciの太さとアルデンテの歯ごたえがいいですね。豚肉も、一見くどそうな組み合わせですが、肉質があっさり柔らかく、薄いソースの染みた揚げパンと合わせてとても美味しかった。
Osteria Su Santa Trinita
Via Neroni, 4, 59100 Prato PO
osteriasantatrinita.it
+39 0574 605899
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Osteria Su Santa Trinita |
手書きのメニュー |
地元Pratoのワインらしい |
Toscana定番の前菜 |
いい感じのお店
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町自慢なのでしょうね、大聖堂 |
Pici ラグーソース |
豚肉を豚ひき肉で包んでパンに詰めたものが揚げられている |
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今日はPistoiaを散策する予定です。昨夜の天気予報を見ると午前中はかろうじて雨は降らず、お昼頃から雷雨になるとの予報でした。車を出してPistoiaを散策してきました。お昼前に戻って来たら案の定、ホテル前の駐車場は一杯でした。ちょっと離れていますが、事前に調べてあったCastello dell'Imperatore付近に駐車しました。結構雨が降っています。
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Museo di Palazzo Pretorio di Prato(プレトリオ宮博物館)の横 |
14世紀に織物産業貿易を立ち上げたDantiniの立像
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<レストラン>
雨が小降りになってきたのでホテルを出てPiazza Mercatale周辺で目星をつけていたレストランへ行ってみました。今日の昼食時間までしか開店していなくて、明日はお休みのようでした。
Trattoria Lapo Prato
Piazza Mercatale, 141, 59100 Prato PO
+39 0574 23745
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Liborita(くずパン入りスープ) |
トルテリーニ
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日曜の夜なので空いているレストランは少なかったので、メインストリートVia Santa Trinita沿いにあるワインバーで軽く済ませました。
Le Barrique Wine Bar
Via Giuseppe Mazzoni, 19, 59100 Prato PO
lebarriquewinebar.it
+39 0574 30151
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またまたToscana式の前菜 |
ペンネ
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地元の赤ワイン |
エスプレッソを頼んだらビスコッティがついてきた |
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町の地図 |
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