011.8.19-21
<概要>
Siracusa は人口12.5万人の大きな町です。紀元前8世紀にコリント人がシチリアで2番目にギリシア人植民地を建設した。それが今のOrtigia島。紀元前480年にSiracusaはカルタゴとの戦いに勝利し、紀元前414年には侵攻してきたアテネ軍を包囲して壊滅させ、相次ぐカルタゴの進行を退けつつ、ディオニュシオス1世からヒエロン2世までの統治時代はSiracusaは本国ギリシャにも勝る繁栄を謳歌し、マグナ・グレキアの名を欲しいままにする。当時勢力を拡大していたローマのシンパであったヒエロン2世が90歳で他界すると同時に、南イタリアに進入してローマ打倒を企てていたカルタゴのハンニバルはSiracusa内でのクーデターを起こさせ、ヒエロン2世の孫である15歳の後継者を殺害し、Siracusaをカルタゴ側につけた。このためローマはSiracusaを攻略せざるを得ない状況となり、戦線をイタリア国内、マケドニア、そしてSiracusaに分散させる。ローマ軍の猛攻にSiracusaは良く耐えた。当時Siracusaに住んでいたアルキメデスの発明する兵器にローマ軍は翻弄されたのだったが、最後は、Siracusaに籠もるギリシャ人がアルテミスの祭日にワインで酔っ払う習慣があることを知って、その夜に一気に攻め込んだローマ軍の勝利に終わる。アルキメデスは、自室で数学の問題を解くのに熱中している際に、そうとは知らないローマ兵によって殺されたという。その後Siracusaはローマの支配下で再び繁栄を謳歌し、ローマ帝国滅亡後はビザンチン帝国、アラブ人、ノルマン人、ホーエンシュタウフェン家、アラゴン家、スペイン人の支配を受けて近代に到る。
<見所>
Siracusaはどんな町か?さっそくOrtigia島を散策してみます。ホテルから島のメインストリートCorso Matteottiに出ると、見慣れたブランド品のお店が建ち並びます。一本裏手のVia cavourに入ると狭い通りに土産物屋、レストラン、カフェ、お菓子屋などが建ち並び、人通りも多いようです。そこから海岸通りのForo Italicoに出て一旦ホテルに戻ります。7時過ぎ、ちょっとだけ薄暗くなった頃にレストランを探しに出かけます。WEBで探してあったお目当てはあったのですが、ホテルのフロントでもAl MazariとPorta Marinaがお薦めとの情報を得ました。先ずはWEBで調べたホテルのそばのDarsena。テラス席をテントで囲んだようなシーフード専門店。ありがちなタイプにあまり興味はそそられませんでした。そこかPiazza Duomoへ出た。ハッと息を呑むような美しく、今までにない広い空間。そして荘厳なバロック様式のDuomo。雰囲気は全く違うけれど、SienaのPiazza Campo、CremonaのPiazza del Comuneに匹敵する印象の強さです。これは驚きです。この広場はもともと前ギリシャ期の至聖所があた場所で、1693年の大地震後にバロック様式で周囲が取り囲まれました。独特の華やかで退廃的な雰囲気を醸し出しています。Duomoは、紀元前5世紀のドーリス式アテナ神殿を7世紀に改修し、17-18世紀に大規模な再建工事が行われている。
次は本土のParco Archeologico della Neapoli (ネアポリ考古学公園)でギリシャ、ローマ遺跡巡り。ホテルから車で移動。Via Augustoの路上に例の仕切り屋にEURO1払って車を停めます。入場券を買って先ずはAnfiteatro Romano(古代ローマ円形闘技場)を見学。基部しか残っていませんが、Veronaの円形闘技場並みの巨大な闘技場だったようです。次はAra di Ierone II(ヒエロン2世の祭壇)。紀元前3世紀。23mX198mの巨大な祭壇。Orecchio di Dionisio(ディオニュシオスの耳)。採石のために出来た洞窟で入口が耳の形をしていたことから名付けられた。洞窟内の小さな音も反響して入口大きく聞こえる。Grotta d. Condari(縄ない職人の洞窟)は内部の湿気を利用して縄ないが行われていた洞窟。ここから離れてLatomia di S. Veneを行くとTombe di Archimede(アルキメデスの墓)があるが、近づくことは出来ない。Museo Archeologico Regionale Paolo Orsi (州立パオロ・オルシ考古学博物館)には先史時代(紀元前50世紀)からギリシャ・ローな時代の出土品等が展示されている。たまたま古代コイン特別展が開催されており、ギリシャからローマ時代のコインが並べられていた。一部中世のコインもあったが、彫刻精度は古代の方が圧倒的に優れている。博物館の近くにはMadonna delle Lacrima(マドンナ・デッレ・ラクリメの聖所記念堂)の奇妙な高さ90mの円錐型の教会があります。1953年に奇跡が起きた場所に建てられたとか。
再度Ortigia島の散策です。海岸線のForo ItalicoからPiazza Duomoの出てDuomo内部を見学します。そしてFonte Aretuza(アトゥレーザの泉)へ。古代より淡水が湧き出てパピルスが自生する泉です。今度は島の東側へ行ってみます。Belevedele San Giacomo(サンジャコモ展望台)付近からLungomare di Levantoを通り、辺りの青い海や白いヨットを見ながら歩きます。裏路地を抜けながら建物の様子を楽しみます。彫刻やら建築様式やら。面白い教会がありました。教会の身廊に沿って教会とは別に商店街が組み込まれている。Piazza Archimedeに出ると18世紀のFontana di Artemideが目に入ります。Corso Italicoの先、Tempio di Apollo(アポロ神殿)は、紀元前7世紀のシチリア最古のドーリス式神殿の遺構です。回りの広場は市などが立つ庶民の空間として利用されています。
<ホテル>
ホテルはOrtigia島に渡ってすぐのハーバーの前。立派なホテルです。ホテルの朝食は最上階である5階のテラス。ここからの景観はこれまた最高!の一言に尽きる。薄く美しい青い海、白いヨット、バロック建築、強い日射し、全てがこの上ない調和を見せています
Grand Hotel Ortigia
Viale Mazzini 12, Ortigia, Siracusa, 96100
Tel +390931464600 info@grandhotelortigia.it
http://www.grandhotelsr.it/indexhome.asp?lang=en
EURO340.00 /2 nights (incl.TAX/BF)
<レストラン>
Al Mazariは静かな雰囲気で、高級すぎず、カジュアルすぎず、悪くなさそうです。先ずはAntipasto。盛り合わせにして貰いました。シチリアでは揚げ物をAntipastoで食べることが多いようです。Primiはパスタを2皿。メインは1皿。ワインとガス入水とで85ユーロ。室内の席は静かで落ち着いた雰囲気。料理も結構まともでした。帰り道すがら、再度Piazza Duomoの夜景を堪能し、ホテルへと帰りました。またまた満足。
Al Mazari
Via G. Torres, 7/9 Siracusa, 96100
Tel +39-0931-483690
http://www.almazari.com
夕食は前日予約した店。大正解でした。Antipastoはスモークした魚ですが、スモークの香りが浸みたちょっと干し物になった魚のスライス、これは非常に美味い。Primiは海鮮(エビ、アサリ)コンキリエのトマトソース、.ウニ入りパスタ、Secondoは店内でDouradaを選んでGrilleして貰いました。デザートを1品、シチリアの赤ワイン、水、エスプレッソで占めてEuro109.52。内容から見ると割にお安いかな。食事を終えてFonte Aretuza、Piazza Duomo、Foro Italicoをゆっくりと散歩し、シチリアの最後の夜を楽しみました。
Porta Marina
Via dei Candelai 35, Siracusa
Tel +39-0931-22553