2011.08.13-15
<概要>
人口70万人のシチリア最大の都市、紀元前8世紀にフェニキア人が入植し、紀元前480年には古代ローマとの戦争で船団を集結した港町。その後古代ローマの支配下に入り、次いで3世紀にはビザンチン、9世紀にはイスラムの支配下で繁栄を謳歌し、11世紀には北方ノルマン人に支配下でイスラムとキリスト文明が共存して栄え、1140年にはかの有名なルジェッロ二世がシチリア国王となる13世紀以降はフランス・アンジュー家やスペインの支配を受け、18世紀初めにはサヴォイア家、オーストリア、ナポリのブルボン家の支配を受け、1861年のイタリア統一で併合されましrた。第二次大戦では大きな被害を被った複雑な歴史の爪痕を残しながら、文豪ゲーテをして「世界一美しいイスラムの都市」と言わしめた魅力的な町です。
そもそも、シチリアには約2万年前の旧石器時代から人が住み始め、沿岸部には約1万年前の壁画が残っています。青銅器時代は紀元前1700年頃から始まり、ギリシャ神話や伝説の時代にギリシャと何らかの関係があったと推定されます。ギリシャ人が紀元前8世紀に移住してSiracusa、Agrigento、Cataniaなどのギリシャ都市できる前に、既にシチリアにはイベリア半島から渡来したのシカニ族、トロイアの落人が小アジアのギリシャ人と合流して渡来して島の西部に住み着いたエミリ族、イタリア半島から渡来したシクリ人がいたらしい。
<見所>
パレルモ観光のメイン真夏の朝で人通りも少ないVia Romaを北へ向かいます。今日は郵便局の手前で右に入り、Museo Archeologico Regionaleへとセリヌンテの神殿遺跡の彫刻など楽しみにしていたのですが、全館修復中で休館でした。隣のS. Ignazio all'Olivellaにも入れませんでした。しかたなくTeatro Massimoへと向かいますが、途中の路地にはレストランやホテルが沢山あり、便利そうな所です。Teatro Massimoは1897年にVerdiのFalstuffで開幕した座席数3200を誇るヨーロッパ有数の劇場です。中には入れず外から写真を撮るだけ。
今度はVia Romaに並行するもう一つのメインストリートであるVia Maquedaを北に向かいます。Corso Vittoria Emanueleとの交差点はかの有名なQuattro Canti(四つ辻)です。17世紀のPiazza Viglineraを囲むバロック様式の建物が見事です内側は湾曲して削られた形状になっており、上下三段に彫像が置かれています。狭くて日があたらないのと排気ガスで建物の壁はドス黒くなっているので、ちょっと暗い雰囲気ですが、最近修復しているのでしょうか、かなり綺麗な部分もあります。ここには観光客相手の馬車が沢山停まっており、馬の異臭が立ちこめています。
さらにVia Maquedaを北に進むとPiazza Pretoriaに出ます。こちらは若干広くて陽光をあび、中央にあるFontana Pretoriaの彫像が白く輝いています。フィレンツェ職人による彫像群はルネッサンス様式であり、バロック様式の多いパレルモでは珍しく明るく開放的な印象の空間です。
Corso Vittoria Emanueleに戻って西へ向かいCattedraleの前を通り過ぎてPalazzo dei Normanniへと。ガイドブックによると王宮西側のPiazza Independenza側にチケット売り場があるとあったのでPorta Nuovaをくぐって王宮の西側に出て、Piazza di Vittoriaを巻いて左に曲がってみたのですが、何も見当たらない。再び王宮の東側、Piazza di VittoriaからPiazza del Parlamentoへ入りPalazzo dei Normanniの東側に出たが、やはり王宮への入口が見当たらない。まわりで他の観光客も入口を探して右往左往している今度は王宮の南側を回って西側に出ると入口があった王宮は壮大で一周するのに10分以上かかりそう。これほどの観光スポットなのだから入口の案内板くらい出して欲しいのだけれど、シチリアはこれ以降も万事この調子でした。11世紀にアラブ人が築いた城塞のうえに12世紀にノルマン人が王宮を建てた。16世紀にはアラゴン家によって改装されたもの。Sala di re Ruggero、Cappella Palatinaが見所Cappella Palatinaのビザンチン様式モザイクはIstanbuleやRavennaのモザイクのキリスト教美術に並ぶ豪華さです。キンピカで頭が痛くなりそう。
再びQuattro Cantiに戻って1143年のMartorana内部でシチリア最古のビザンチン様式のモザイクを見ようと思ったのすが、全面改装中で閉館でした。その横のSan Cataldoは1160年のイスラム様式のドームを持つ簡素な教会簡素な外観と窓のレース状の装飾もイスラミックノルマン時代もイスラム文化の影響を受けていたことが感じ取れます。
今度は先ほど通り過ぎたCattedraleへ向かいます。1184年のシチリア・ノルマン様式の堂々たる聖堂です見終わってから近くのBarでCannoloを試してみた。筒状のビスケットにリコッタチーズやフルーツを詰めたもの甘過ぎなくて美味しい。
その後新市街のTeatro PoliteamaからViale della Libertaを垣間見て、夕食に予定していたレストランSapori Perduti (via Principe di Belmonte 32)まで行ってみたが、夏期休暇中このあたりの良さそうなレストランは休みを取っているようだった。
ホテルからVia Romaを南へ向かうと右手に大きな郵便局があり、その先左手にPiazza San Domenico。中央に1726年の円柱Colonna dell'Immacolataが立ち、その奥にS. Domenico教会のファサードが見える教会の起源は14世紀で、1640年に再建された。その後、1726年に両側に鐘楼を有するファサードが追加された。Corso Vittorio Emanueleの手前にあるSant Antonio Abate教会の起源は12世紀にさかのぼるが、14世紀以降何度も改修され、現在のゴシック風ファサードは19世紀。Corso Vittorio Emanueleを越えて更にVia Romaを南に進むとPiazza Giulio Cesareに突き当たる。ここはパレルモ中央駅。
ここからVia Lincolnへと左に曲がると、街路樹はあるのだけどちょっと煤けて雑然とした街路となる。ゴミも散乱して汚い感じよくみると建物には中国語だらけ。読んでみると貿易商らしい事務所や洋装品の卸のお店が並んでいる。安いお土産物なんかを中国で作らせて輸入しているのだろうか。この辺りを歩いている人も東洋人ばかりだ。我々は中国慣れしているのであまり恐い感じはしないが、慣れていない人にはちょっと異様な雰囲気かも知れない。さらに東に進むと1789年設立の10ヘクタールほどの大きなOrto Botanico(植物園)がある。ここまでくると通りも再びこぎれいに変わる。
突き当たると海岸公園Villa a Mareがあり、ティレニア海が広がる。Villa a Mare沿いのForo Italicoを今度は北上し、Piazza San SpiritoからPorta Feliceを通ってSanta Mariqa della Catenaへと出る。スペイン支配16世紀のカタロニア・ゴシック様式。当時のルネッサンス様式にゴシック様式を組み合わせている様子が興味深い。近くにMuseo Internazionale delle Marionetteがあったが事前の連絡がないと見学できない。
ここからPiazza Marina、Giardino Garibaldi、Palazzo Chiaramonteを通ってみる。ここからSan Francesco d'Assisiへ出たかったのだが、ホテルで貰った町の地図と実際の道が微妙に合わないこと、教会の位置が正確に記されていないこと、通りの観光案内板が少ないことなどで、一向に目的地にたどり着かない。気がついたらGalleria Arte Moderma(近代美術館:閉館)とSant' Annaの前を通ってVia Romaに出てしまった。このあたりから強烈な日射しと暑さにさらされていた身体が苦しくなる。喉はカラカラ、既に歩く気力が薄れている。近くの食料品店で水を買って一息ついて、再度Giardino Garibaldiへ戻って再びSan Francesco d'Assisiを探す。探しているうちにCarrefourを見つけたので後で買い物しようっと。さんざん歩いてついにSan Francesco d'Assisiを見つけた。1227年に立てられ、14-15世紀に側面の礼拝堂が付加され、16世紀にはヴォールト式天井をいだき、フレスコやスタッコ装飾が加えられたが1823年の地震で崩壊。新古典主義様式で再建したが第二次大戦の砲火で破壊され、その後創建当時のロマネスク様式で復元された。あちこちでガイドブックと地図をにらめっこしながら目的地を探している観光客を目にするやはり地図と案内板がいい加減なようだ。
ここでシチリア旅行の教訓
1) 地図や道路案内はあてにしない方が無難
2) 暑い夏は水の携帯が必須
かなり歩き疲れたのでホテルに戻ることにした。夕方7時過ぎ、まだまだ明るいので帰りは市場で賑やかなVucciria付近の裏通りを通ってみた。Via Romaの一本東側。狭い通りはまるで”アメ横”!道路にはみ出して並べた商品は食品やら雑貨やら洋装品やら。さっきの中国貿易商が持ってくるのだろうか。人が通るのもやっとの狭くて人の多い通りを二人乗りのスクーターが入って来る。とにかく雑多な雰囲気でもあまり危ない感じはしない
<ホテル>
ホテルは1874年のIngham-Whitaker palazzoを改修したものであり、豪華なロビー、彫像、ワーグナーが使用したピアノなどなど見事な内装です
Grand Hotel Et Des Palmes
Via Roma 398, Plermo, 90139
Tel +39 0916028111 des-palmes@amthotels.it
http://www.grandhoteldespalmes.com/
EURO200.00 /2 nights (incl.TAX/BF)
<レストラン>
Teatro Politeamaの東側、Piazza L. Sturzoに面した普通っぽいレストラン。最初に頼んだAntipastoはカポナータ、コロッケ、薄手のフォカッチャに鰯ペーストを塗ったもの、リコッタチーズの揚げ物など、盛りだくさん。どれもちゃんと料理してあって美味しい。Primo Piattoはパレルモ名物の鰯入りのパスタ。ほぐした鰯の身にケイパー、アンチビー、胡椒、松の実、干しぶどう、玉葱で味付けし、ブカティーニ(中空スパゲティ)にからめたものにアーモンドの粉を振りかける。Secondo Piattoもパレルモ名物でリコッタチーズと何かを混ぜたものを薄い豚肉で包んで焼いたもの。これに焼き野菜の付け合わせミネラルウォーター、グラスワイン、エスプレッソも飲んで、しめてEURO57まあまあでしょうか
CAPRICCI DI SICILIA
Via Isutitute Pignatelli, 6, 90139 Palermo