2013.08.04
<見所>
今日は先ずはPiazza Danteに出てみます。16世紀に市場があった場所で、トレド通りに面する半円形の大きな広場です。広場の北側のPorta Albaをくぐる通りは書籍を売るお店がぎっしりと並んでいます。
さて、スパッカナポリのもう一つのメインストリートであるVia Biagio dei Libraiに入ります。こちらの通りには人形(Purucinella)を売る店、骨董品の店、レストラン、土産物屋が建ち並び賑やかな感じです。良さそうな人形を見つけてふと足を踏み入れた人形専門店にて、今日は「サンジェンナーロの血液が液体化する」ミラコロが起きる日だよ、サンジェナーロ像と血液の行列が5時頃にDuomoを出て、目の前のVia Biagio dei Libraiを通ってサンタ・キアーラ教会(Santa Chiara)まで行くんだ。サン・ドメニコ・マッジョーレ教会(San Domenico Maggiore)の前のカフェに座って待っているといいよ、と教えてくれました。そうか、今日は5月の第一土曜日、サンジェンナーロの血液が溶けるキラコロの日だった。何という幸運!
人形のお店を出てVia Biagio dei Libraiを更に東に行くとサン・ドメニコ・マッジョーレ教会(San Domenico Maggiore)は13世紀に創建。現在見られる教会は、17世紀にバロック様式で改築されたもの。聖具室には、アラゴン家とスペイン国王の棺がずらり。その前にサン・ドメニコ・マッジョーレの塔が建つ広場があります。この広場は向かいにあるナポリ東洋大学の学生たちの憩いの場です。
サンテイ・フィィッポとジャーコモ教会(Chiesa di S. S. Filippo e Goacomo).。貧しい地域の商人と紡績工は、1593年に市の建設物があった場所にこの教会を建てました。1750年の工事で、教会の構築が変わったにもかかわらず、教会はルネッサンス期の興味深い建物です。上部にある壁がんの中に、聖フィリッポと聖ジャコモの宗教と信仰の彫像があるファザードはとても美しく、内部は、装飾、床、祭壇、チェスタロのフレスコがありとても面白いものです。
その先、人形のお店がズラリと並ぶ狭いVia S. Gregorioが北へと上っています。イタリアの伝統的なクリスマスの飾り「プレセピオ」を作る職人さんの店が軒を連ねています。
Via Biagio dei LibraiとVia S. Gregorioの交差する角にS. Biagio Maggiore中はイタリアの哲学者Giambattista Vicoの博物館(Museo Vichiano)らしい。
Via Duomoに出ると角にサン・ジョルジョ・マッジョーレ(San Giorgio Maggiore) がある。4世紀に初期キリスト教のバジリカとして、セヴェロ司教の意志で建設されたといわれています。当時は司教の名前からセヴィリアーナと呼ばれ、6世紀にその名がロンゴバルド族との戦いに勝利した際の国の自由のために命を落とした者に敬意を示した、現在のものに変わったと推測されています。3本の大廊下からなる初期キリスト教時代のバジリカには、コリント式の円柱と後陣が数本残っているのみです。1640年、コジモ・ファンザーゴが大火事後の修復作業を担当したのをはじめ、1694年の大地震を経て1880年ドゥオモの隣に完成を見ました。サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ・アッレ・クローチ教会の中に、コジモ・ファンザーゴが移動させた円柱の一部が見られます。フランチェスコ・ソリメーナのフレスコ画、カミッロ・リオンティ、フランチェスコ・ペレシの作品も見られ、訪れる方々の興味を引くでしょう。
ここから更に駅の方向に進みます。Via Duomoを過ぎるといきなり雰囲気が悪くなります。観光客は激減し、普通のナポリの生活が垣間見えます。
さらにCastel Capuano(カプアーノ城)へと向かいます。建物はカプアに続く道が通る古いカプアーナ門の近くにあることから、この名で呼ばれています。ノルマン人が12世紀に完成。翌世紀にアンジュー家によって改修が行われ、15世紀にはアラゴン人が街の城壁に建物を取り込んで王の住居としました。16世紀にはカプアーノ城は、司法裁判所となり現在に至っています。でも、横を通るとゴミだらけで、そんな重要な建物に見えないのが残念です。
さらに先に進むとPorta Capuana。1484年にカプアーノ城のすぐ近くに建てられました。大理石装飾がほどこされた両側にある2つの党はオノーレ(名誉)とヴィルトゥ(美徳)という名がついています。駅も近いので時折観光客の姿も見かけますが、雑然として観光する雰囲気ではないようです。
Via dei Tribunaliを通ってホテルへと戻ります。Piazza Cardinale Sisto Riario Sfotzaにある個性的な尖塔Obelisco di San Gennaroは1631年に起こったヴェスヴィオ山の噴火後、街の安全祈願を願い建てられた多くの尖塔の最初のもので、ルネッサンスとバロックの様式が同居しています。古代ギリシャ−ローマ時代の主要道路が通っていた場所に位置する聖・ジェンナロの尖塔は、コシモ・ファンザーゴの設計で17世紀半ばに建てられました。
Pio Monte della Misericordiaの前を通ります。カラヴァッジョに関連し、ルネサンスの要素がある重要建築物です。この建物は古代ギリシャ・ローマ時代に主要道路が通っていたところに位置します。1601年にジョヴァン・ジャコモ・コンフォルトにより、既存の宗教的な場所に建てられ、サンタ・マリア・デッラ・ミゼリコルディアという名がつきました。1658年フランチェスコ・アントニオ・ピッキアッティにより改築されました。内部にアンドレア・ファルコーネによる聖水盤と、カラヴァッジョによる「哀れみの聖母」、バッティステッロ・カラッチョロの絵がある教会があります。2階には、美術館があり、フランチェスコ・デ・ムーラ、ルカ・ジョルダーノ他の画家による作品が納められています。とりわけここには、ミケランジェロ・メリシ・ダ・カラヴァッジョの「哀れみの御業」を描いた大きな作品があり、必見です。見学には午前中の電話予約が必要です。
Via DuomoでVia San Biagio dei Libraiに移り、Cappella del Monte di Piet?の前を通ります。礼拝堂(ナポリ銀行の記念建造物・カラファ邸内に位置)は、1598年にカヴァニャにより完成しました。ファザードはアッピンニン山脈北部産出の、灰青色の大理石でできた4本の柱があり、その脇には「慈愛」と「信頼」をテーマにした、ピエトロ・ベルニーニの彫刻が飾られている壁がんがあり、中央部は赤大理石の扉で占められています。正面図はミケランジェロ・ナッケリーノ作の「キリスト降架」をふくむ、三角形のティンパスムと、帯状装飾の中にはこの礼拝堂建設の目的を示す、ラテン語で「オ・マニュム・ピエタティス・オプス」という文が書かれています。
S. Angelo Niloは赤い壁が一際目立つ教会。リナルド・ブランカッチョ司教によって1384年に建設が実現した教会で、以前からあった礼拝堂を改築したものと推定されています。そのため、「ブランカッチョ礼拝堂」の名でも知られています。外部と内部には18世紀、アルカンジェロ・グリェルミネッリの手による改修の跡が見られます。扉口は14世紀と15世紀、扉は16世紀の木製のものです。
Piazza Gesu Nuovoに出ると今までの狭い通りと異なって視界が広がります。広場にはObelisco dell'Immacolata (インマコラータの塔)が立っています。
広場の一方にあるGesu Nuovo(ジェズ・ヌォーヴォ教会)は、トリニタ・マッジョーレの名でも知られている教会で、15世紀に建てられました。16世紀にイエスズ会の修道士に捧げられ、彼らが改築を行い聖母にささげたものです。教会周辺には、ギリシャ−ローマ時代の主要道路・デクマノ・インフェリオーレの跡がみられ、数々の突起が印象的なファザードは、改築前の姿で残っています。内部は目を見張る豪華なバロック様式で飾られています。
もう一方にあるのが、Santa Chiara(サンタ・キアーラ教会)です。1310年の創建ですが、バロック様式で改築後火事で焼失。20世紀にゴシック建築で再建されました。マヨルカ焼きのタイルで飾られたキオストロ(回廊)が隣接しています。
ここで一旦ホテルに帰って、サンジェナーロ像と血液の行列に備えます。荷物を出来るだけ少なくして出かけます。途中で見落としていたニーロ像の横を通り、Via S. Gregorio からSan Lorenzo Maggiore(サン・ロレンゾ・マッジョーレ教会)に出ます。ここは技術研究家により、6世紀の初期キリスト教時代の教会の上に建てられたことが確実なバジリカです。実際バジリカには、この6世紀の教会にあったモザイク床がいまだに見られるからです。アッシジの聖フランチェスコによって設立された教団のナポリ到着が示されています。ファザードの隣には、フェルディナンド・サンフェリーチェによる四角形で4階建ての鐘楼、アンジュー時代に建てられた扉口があります。右手には修道院への入り口と、現在考古学上で重要なロマネスク建築で建てられたキオストロがあります。
さらにS. Paolo Maggiore教会の前を通ってDuomoの前に言ってみます。人だかりです。銀製の聖人像がDuomo前に並んでいて、司教がなにか演説しています。しばらく待つと、楽隊、聖人の旗、銀製の聖人像、そして聖ジェンナーロの血の入った容器と聖ジェンナーロの銀像が次々と繰り出します。思ったほど見物人は多くなく、案外平穏な雰囲気です。聖職者達は立派なマントの下にジーンズを穿いていたり、結構ラフです。
<レストラン>
ナポリ大学の近くにある庶民的なお店。Antopasto盛り合わせ、Zuppa di Fagioli(トマト、セロリ、オレガノ入りの豆のスープ)、Costatella Ammollicata(ガーリックオイル、ケイパー、パン粉、白ワインで味付けした骨付き豚肉)。白と赤のハウスワインをMezzo Littleずつ。炭酸水。Dolce、エスプレッソ2杯。中でもZuppa di Fagioliはコクがあって美味しかった。
Osteria la Chitarra
Ramp S. Giovanni Maggiore 1/bis, Napoli
081-552-9103
osterialachitarra.it