Angersを11時頃に出て一般道路175kmを2時間半かけてSaint-Savin(サン・サヴァン)に到着です。ここにはLa Gartempe川畔に建てられた中世のロマネスク様式の教会堂ABBAYE SAINT SAVIN SUR GARTEMPE(サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会)があります。その身廊の天井には世界遺産に登録された一連のフレスコ画が描かれています。
現在人口1000人のこの町の歴史は伝説では5世紀にこの地で殉教した聖人サヴァン (Saint Savin) に遡ることができます。修道院が建てられたのは8世紀頃のカール大帝時代と考えられています。
<見所>
教会堂ABBAYE SAINT SAVIN SUR GARTEMPEの入口の案内板に14:00から開館と書かれています。時間があるので教会堂の裏手にあるLa Gartempe川に回ると比較的新しそうな ゴシックの橋 (Le pont gothique)とその奥に古い橋( Le Vieux Pont)がかかっていrのが見えます。
14:00になるとどこからともなく集まってきた観光客が入口に並んでいます。入場券を買って教会堂内部に入ります。修道院の内部には良好な状態で保存されている12世紀から13世紀にかけて作られた壁画があります。壁画は主に、フレスコ画とテンペラ画の中間的な技法で描かれたもので、それぞれが呼応しあうように飾られています。
入口、ポーチにある壁画は主にヨハネの黙示録のエピソードが描かれており、階廊席の壁画にはキリストの受難と復活が描かれています。これらに続く形で身廊のヴォールトに、旧約聖書の中から「創世記」や「出エジプト記」など約50のエピソードが描かれた壁画が飾られています。 身廊の壁画は、地上17メートルの高さです。身廊のヴォールト天井の広さは面積にしてなんと460平米もあり、それだけでも存在感のあるものですが、圧巻は、天井を埋め尽くす数々のフレスコ画です。フレスコ画の題材は、主に旧約聖書で、出エジプト記やアダムとイブ、カインとアベル、バベルの塔、ノアの箱舟など、有名な旧約聖書の場面が奥行き168メートル、弧を描いた高さ2.5メートルにわたって続いています。
またクリプト(地下納骨堂)には、聖サヴァンと聖シプリヤンの遺体が納められており、内部には波乱に満ちた二人の生涯と殉教の物語が描かれた壁画があります。 近年、3年間に及ぶ大々的な改修工事を経て、全壁画が一般に開放され見学できるようになりました。