Tournaiは人口は約67,000人の地方小都市ですが、その歴史は約2000年前のローマ軍の駐屯地にさかのぼります。5世紀の西ローマ帝国消滅後にフランク族がここを占領し、フランク王国の初代国王となるClovis I はここで誕生しました。その後はフランドル伯、ブルゴーニュ公国、スペイン・ハプスブルク朝、イングランドなどの支配を受け、1830年のベルギー王国が成立に伴ってよりベルギー領となりました。
<見所>
駐車場からL' Escaut(エスコー川)を渡って旧市街へと向かいます。雲一つない晴天で気温は20度もあってこの季節としてはかなり暖かな日です。真っ先にGrand Placeに向かってみると、広場はカーニバルの準備で忙しそうな雰囲気です。 Grand Placeに立つStatue de la Princesse Christine de Lalaing(クロスティーヌ妃の彫像)もカーニバル用に仮装が施されています。
あまり人出が多くなる前にとCathedrale Notre-Dame de Tournai(ノートル・ダム大聖堂)を見に行きます。四角くて華麗でかつ威圧的な雰囲気の5本の鐘楼が印象的です。一方で大聖堂のファサード全体はどっしりとしたロマネスク調なのです。でもアーチや細かな装飾はゴシック様式です。12〜13世紀にけけて建設されたベルギーで最も壮麗な建築であり、この付近の教会堂建築に大きな影響を与えたそうです。身廊の長さは134m、翼楼の幅は66mとかなり大きなものです。当時は莫大な富と大きな権力を持っていた町なのでしょう。内部はステンドグラスが多用されていることから構造自体はゴシックのようですね。6世紀の初代司教聖エルテールにまつわる絵画、肖像などがありました。2000年にはユネスコ世界文化遺産に登録されています。
Grand Placeに立つStatue de la Princesse Christine de Lalaing(クロスティーヌ妃の彫像)が仮装されています
Grand Placeから見えるCathedrale Notre-Dame de Tournai
Cathedrale Notre-Dame de Tournaiのファサードはロマネスクっぽい
Cathedrale Notre-Dame de Tournai
これはゴシック調ですね
内部に大聖堂全体のモデルが、5本の四角い鐘楼がすごい
身廊から奥を
身廊からのファサードのバラ窓が奇麗です
豪華でち密な木製の説教壇
見事なトリビューン
Cathedrale Notre-Dame de Tournaiを見終えてMusee d'Archeologie(考古博物館)へと行っていました。17世紀に建てられた旧公営質屋を転用したもので古く立派な建物です。本来だと開館している時間でしたが、カーニバルのせいなのか全く開館する様子は見られませんでした。
Grand Placeには仮装した人や山車がどんどんと集まってきます。ちょうどお昼頃だったので混む前にと早めにとGrand Placeに面したCafeで昼食。最初すいていたテラス席もどんどんとお客さんで埋まってゆきます。やはり早めが正解。
カーニバルの準備中
皆さんGrand Placeを目指して
Grand Placeがにぎわってきました
Grand PlaceのCafeで昼食
勝手気ままに仮装して歩いているようです
Cathedrale Notre-Dame de Tournai
食事を終えてもカーニバルが始まらないようなのでL' Escaut(エスコー川)の東側へと渡ってみました。遠くから目立っていた比較的新しそうなEglise Saint-Brice(聖フリス教会)まで行ってみると、その横に天使と女性の不思議な像が立っていました。 Gabrielle PETITという女性の像のようです。第一次世界大戦中に赤十字に入会して負傷兵支援活動を行っていましたが、ドイツへの蛮行に我慢できなくなって情報機関に入り、コードネーム"Mademoiselle Legrand"としてドイツ軍へのレジスタンス活動を始めました。ドイツ軍に逮捕され1916年2月2日に死刑宣告を受け、4月1日に死刑が執行されました。銃殺の時、彼女は目隠しを拒み最後に"Vive la Belgique! Vive le Roi!(Long live to Belgium! Long live to the King!)"と叫んだそうです。私たちが知るべくもない、その土地土地にとって大切な歴史や誇りがたくさんあるのですね。
このほかにも見どころとして、Musee des Beaux-Arts (トゥルネー美術館) 、Musee de la Tapisserie et des Arts du Tissu(トゥルネー市タペストリー織物博物館 )などがありましたが、どうせカーニバルで休刊だろうと思って行ってみませんでした。「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一部として、1999年に世界遺産に登録されています。
このあたりのCafeで仮装を見ながら昼食
ドンドンと人が集まってきます。
Beffroi de Tournai(鐘楼)
Grand Placeは大賑わいです
L' Escaut(エスコー川)を渡って駐車場へと向かいます。川の下流には13世紀に築かれた市壁の名残であるLe pont des Trous(トル橋)が架かっています。1940年に英国軍により爆破され、1947年に修復工事が行われましたが、その際、船舶の通行を考慮して2.4m高く建造されました。